Industry(業界別)
DXロードマップとIT組織の再構築
[お客様の困りごと]
お客様は数年前に経営層よりDXを進めるよう指示を受け、コンサルティング会社と契約しDXロードマップを作成の後、システム導入に取り掛かられました。数年経ってもシステムが立ち上がらず、ITの組織全体が硬直状態のさなか、当社へご相談を頂きました。

[経営層の期待と現状のギャップを把握]
これまでの経緯をお伺いし、ロードマップ、ユーザーとの関係、IT組織の課題など様々な要因により、度重なるスケジュール変更が繰り返されていることが分かりました。事象をひとつひとつお客様と確認し、弊社の持つ他社の事例と比較する中で、お客様の課題が浮き彫りになり、最終的に経営層を含む関係者との共通の課題認識を持つことが出来ました。

[DXのブループリントとロードマップ]
経営層と対話を重ね、経営課題の解決に直結するテーマを整理、短期・中期・長期の施策をDXのブループリントとして纏め上げ、経営層と合意することが出来ました。実行のロードマップについては、DXの推進だけではなく、セキュリティーや現状のシステムの運用、さらに他部門で発生するIT投資をコントロールするガバナンスも含め、全体を網羅することで、かつ課題に対処することで、実現可能なロードマップを作成することが出来ました。

[IT組織の再構築と人財育成]
これらの施策を実現させるには、IT組織の強化が必要となることが分かり、大きく組織をトランスフォームすることにしました。より戦略的な組織への変革に加えて、外部リソースを活用することにより、お客様の中で持つべきケーパビリティやタスクに着力出来るように設計して行きました。また優秀な若手層を育成するため、外部パートナーとの混合チームの中で知識と経験を獲得し、継続してお客様のIT部門がDXを推進し続けられる組織を設計することが出来ました。

データレイクの構築とデータ活用&AI活用
[お客様の困りごと]
お客様はデータの活用に向けてコンサルティング会社と契約の上、データのモデル設計・データレイクの構築を進めれ来られましたが、設計の段階で経営層のレビューでNGとのご判断となり、プロジェクトがストップされているさなか、当社へご相談を頂きました。

[経営層の期待と現状のギャップを把握]
これまでの経緯をお伺いし、コンサルティング会社との会話が「モデリング手法・テクノロジー・データ収集技術」などテクニカルな内容に傾いておられたのと、広範に及ぶ「あらゆる業務データを集める」という方向性の議論に全体の労力が割かれがちで、具体的な経営効果の刈り取りの議論に十分に及んでいないことが分かってきました。

[業務の課題と経営効果にフォーカス]
サプライチェーン、製造、購買、物流など複数の部門と対話を重ね、経営課題の解決に直結するテーマを特定・厳選し、まずはそのテーマの解決に必要なデータの核となる受注番号や製造指図などの背骨となる項目で社内に複数のシステムに跨っているシステムからデータを取得し繋げられるか、効果が創出できるかのシミュレーションを行いました。その上での投資判断を経営層に頂き、再度プロジェクトが再開する流れとなりました。

[データレイクのデータ活用&AI活用]
データレイクのデータ活用は固定のメニューや機能を作るのではなく、環境の構築とユーザーへの利用教育を行い、時間をかけて市民開発によるデータ活用を進めました。時間はかかるもののIT部門の手をかけることなく、データを活用したいユーザーが自らデータを収集分析することで活用の幅が広がりました。またAIにデータを渡し分析をかけることで様々なインサイトを得る事もつながり、今後のお客様のデータ活用のベースが出来ました。
